国際資格の専門校、株式会社アビタス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:宇坂純)は、代表取締役の宇坂純が、米国専門会計資格教育機関協会(APACPA:American Professional Accounting Certification Providers Association)の年次総会において、理事(ボードメンバー)に選出され、副会長(Vice President)に就任したことをお知らせいたします。1998年の同協会設立以来、米国外に拠点を置く教育機関からボードメンバーが選出されるのは歴史上初の快挙であり、同協会の歴史において大きな節目となる出来事です。
国際資格講座などを展開するパスメイクグループの株式会社アビタス(本社東京都渋谷区、代表 宇坂純、以下アビタス)のアビタス教育総合研究所は、全国の30歳~65歳の管理職以上の会社員(正社員)350人を対象に、「生成AIの業務利用と管理体制に関する実態調査」を実施いたしました。
その結果、会社が管理する生成AIを全社的・一部部署・試験的に利用している割合は54.6%に達した一方、利用ルールが整備され、従業員に十分浸透しているとの回答は15.1%にとどまりました。両者の差は39.5ポイントとなり、生成AIの「活用」が広がる一方、「ガバナンス」が追いついていない状況がうかがえます。
さらに、会社管理外の生成AI(いわゆる「シャドーAI」)を利用している従業員がいるとの回答は31.7%、生成AIの利用状況やリスクを確認・評価する仕組みやプロセスが不十分との回答は51.1%に上りました。
生成AIは業務の生産性向上や価値創出につながる一方、企業には利用を推進するだけでなく、どのように利用され、どのようなリスクが生じているのかを把握し、適切に管理・評価することも求められます。
本調査は、2025年9月1日に全面施行された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)を背景に、企業で働く管理職の認識を通じて、生成AIの業務利用とガバナンス体制の実態を把握することを目的に実施しました。本調査では、「AI活用」を生成AIを業務で利用すること、「AIガバナンス」を利用ルールの整備・浸透に加え、利用実態の把握、リスク評価、責任体制、監査・点検などを通じてAI利用を適切に管理・統制する取り組みと定義し、企業における生成AIの「活用」と「ガバナンス」の実態を分析しました。
■ 生成AI活用54.6%、ルール浸透15.1%~AI「活用先行・ガバナンス後追い」、39.5ポイントの差
会社が契約・承認し、アカウントや利用条件を管理している生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude等)の業務利用状況を尋ねたところ、「全社的に利用している」が26.0%、「一部の部署で利用している」が19.7%、「試験的に利用している」が8.9%となり、何らかの形で利用している回答は合計54.6%でした。
一方、生成AIの業務利用に関するルールやガイドラインについて、「整備され、従業員にも十分に浸透している」との回答は15.1%でした。「整備されているが、十分には浸透していない」は19.7%、「現在整備を進めている」は14.6%で、ルールを「つくること」と、実際の業務に「浸透させること」が別の課題となっている状況がうかがえます。
また、「必要性は認識しているが、整備できていない」は14.0%、「必要性を含め、まだ十分に検討されていない」は20.9%でした。両者を合わせると、34.9%がルール未整備に相当する回答となっています。
生成AIは短期間で導入できても、利用実態の把握、ルールの周知、研修、定期点検といった運用体制の構築には継続的な取り組みが必要です。今回確認された39.5ポイントの差は、AIの導入・活用が先行する一方、利用を管理・統制するための運用体制の構築が次の課題となっている可能性を示しています。
■ 44.6%が管理外AIの利用実態を把握できず、AIガバナンスの課題は「禁止」から「可視化・評価」へ
会社が契約・承認・管理していない生成AI(個人アカウントや無料版等)の従業員による業務利用状況を尋ねたところ、「利用している従業員がいる」との回答は31.7%でした。管理職回答者の約3人に1人が、勤務先で管理外AIが業務利用されていると認識している結果です。
また、「利用している可能性はあるが、実態を把握できていない」は18.3%、「状況を把握しておらず、分からない」は26.3%でした。この2項目を合算すると44.6%となり、利用の有無以前に、現状を把握する仕組みが十分でない可能性がうかがえます。
一方、「把握している範囲では、利用している従業員はいないと思う」と回答した割合は23.7%でした。
管理外AIへの対応では、利用を一律に禁止するだけでなく、一定の安全性が確保された 環境の整備、入力してよい情報の明確化、利用状況の把握を並行して進める視点が求められます。
生成AIの業務利用に関するリスクや不安では、「AIが生成した誤情報の利用」が43.1%で最多となり、「機密情報や個人情報の漏洩」の33.7%を9.4ポイント上回りました。「著作権や知的財産権の侵害」は28.0%、「会社が承認・管理していない生成AIの利用」は23.1%でした。
■ トラブル・ヒヤリハットの発生状況、31.1%が把握できず
インシデントのタイプとしては、「生成AIが出力した誤った情報をそのまま業務に使用した」が17.1%で最多でした。次いで「著作権侵害の可能性があるコンテンツを生成・使用した」が15.7%、「生成AIの出力を顧客等に提供し問題が生じた」が13.1%、「機密情報や社内データを生成AIに入力した」が12.9%でした。
一方、31.1%はトラブル・ヒヤリハットの発生状況を把握していないと回答しました。
トラブルそのものへの対応だけでなく、インシデントを検知し、報告、是正、再発防止につなげる運用プロセスが機能しているかを確認することも、AIガバナンス上の課題と考えられます。
■ リスク評価プロセス不十分51.1%、専門人材不足48.2% ~「仕組み」と「人」の二重不足
生成AIの利用状況やリスクを確認・評価する仕組みやプロセスについて、「あまり整備されていない」が25.7%、「まったく整備されていない」が25.4%となり、合計51.1%が不十分と回答しました。「十分に整備されている」は8.9%でした。
生成AIのリスクを確認・評価するために必要な知識・経験を持つ人材については、「あまりいない」が29.1%、「まったくいない」が19.1%、「十分にいる」は11.1%でした。
企業におけるAI人材育成では、生成AIを業務で活用するための知識やスキルだけでなく、その利用状況やリスクを確認・評価し、適切に統制するための知識も必要になります。
ルール策定に加え、利用実態の把握、出力結果の検証、定期的なリスク評価、それらを担う人材の育成・確保まで一体的に進めることが、AI活用を継続するための課題となっていることがうかがえます。
■ 今後の優先項目は「教育」と「ルール」~独立評価・外部活用は低位
生成AIを安全かつ積極的に活用するため、今後必要性が高まると思うものを最大3つ尋ねたところ、「従業員への生成AI・リスク教育」が36.6%で最多となり、「利用ルールやガイドラインの整備」が32.0%で続きました。
一方、「AIのリスクや管理体制を独立した立場から評価・監査できる人材」は7.7%、「外部専門家による第三者評価や助言」は3.1%でした。
生成AIのリスクを確認・評価するために必要な知識・経験を持つ人材が不足しているとの回答が48.2%に達する一方、「独立した立場から評価・監査できる人材」を今後必要な項目として選択した割合は7.7%にとどまりました。
この結果からは、AIガバナンスを担う人材が不足しているという課題認識と、その解決手段として「評価・監査を担う専門人材」を位置づけることとの間に隔たりがある可能性がうかがえます。
今後は、社内教育やルール整備を入口としつつ、組織規模やAI利用のリスクに応じて、独立した評価・監査や外部専門家の活用を選択肢に加えることが考えられます。
【アビタス教育総合研究所(AIDEA) 主任研究員 毛利弘通コメント】
本調査から、企業における生成AI活用が「導入」から「運用・統制」へ移る過渡期にあることがうかがえます。
生成AIは生産性向上や価値創出に貢献する一方、ルールが十分に浸透しないまま利用が広がれば、誤情報の利用、情報漏洩、知的財産権への抵触などのリスクが高まります。
2025年9月1日のAI法全面施行に加え、2026年4月には経済産業省が「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」を公表しました。これらは同一の制度ではありませんが、企業がAI活用の方針、責任分担、リスク管理を実務として検討する重要性が高まっていることを示す政策・実務上の動きです。
今回の「活用54.6%、ルール十分浸透15.1%」という結果からは、AIの活用を進めることと、それを適切に管理・統制することを両輪で進める必要性が見えてきます。
特に重要なのは、AIを「使える人材」を増やすだけでなく、AIがどのように使われ、どのようなリスクが存在するのかを「評価・監査できる人材」を育成する視点です。
本調査では、生成AIのリスクを確認・評価する知識・経験を持つ人材が不足しているとの回答は48.2%でした。AIリスクへの対応には、技術だけでなく、法務、セキュリティ、内部監査、ガバナンスなどの専門知識を横断し、さらには倫理的観点からもAIの利用状況とリスクを適切に評価できる人材が重要になります。
AI活用のための人材育成と同時に、AIを適切に統制・評価・監査する人材をどのように育てるか。生成AIの利用が企業活動に定着していく中で、これが次の人材育成課題になると考えています。
アビタスは、ISACAが提供するAI監査の上級資格「AAIA(Advanced in AI Audit)」の取得を支援する対策講座を展開しています。AIのライフサイクル全体にわたるガバナンス、オペレーション、監査手法を学ぶ機会を提供し、日本企業が安心してAI活用を進められる体制づくりに、人材育成の面から貢献してまいります。
調査名称:生成AIの業務利用と管理体制に関する実態調査
調査対象:全国の30歳~65歳の正社員・一般企業(IT・情報サービス業を除く)に勤務する課長職以上の管理職
調査手法:インターネット調査
調査時期:2026年8月
有効回答:350名
グラフデータ:
※本リリースに掲載するデータを引用する際は、出典として「アビタス調べ」とご記載ください。
※四捨五入の関係で、合計が100%にならない場合があります
■ AAIA(Advanced in AI Audit)対策講座について
AAIA(Advanced in AI Audit)は、ISACAが提供するAI監査の上級資格です。受験には、CISA、またはIT監査・ITアドバイザリー業務に関わるCIA、USCPA、日本の公認会計士等、ISACAが定める資格要件があります。試験領域は「AIガバナンスとリスク」「AIオペレーション」「AI技術とコントロール」の3領域です。
アビタスでは、ISACA公式の日本語教材を用いたAAIA対策プログラムを提供しています。講座の開講時期、講義時間、教材、受講条件等の最新情報は、公式サイトでご確認ください。
アビタスは、AAIAの前提条件となる各資格において、国内トップクラスの合格者を輩出してきた実績を有しており(CISA累計2,000名以上、CIA累計5,500名以上、USCPA累計8,000名以上 ※2026年3月末時点)、2026年6月より本講座を開講しています。
AAIA講座詳細:https://www.abitus.co.jp/aaia/
以上
■ 国際資格の専門校アビタス(公式サイト https://www.abitus.co.jp/)
アビタスは、グローバル人材教育事業を展開しており、米国公認会計士(USCPA)や公認内部監査人(CIA)等の国際資格講座、米国MBAをはじめとする学位と修了証プログラムを個人に提供することを通じて国際競争力の高い人材の育成を行っている、日本における社会人教育のリーディングカンパニーです。また、企業への研修プログラム提供や、キャリアを支援する人材紹介事業も行っています。
これからも、パスメイクホールディングスは、「学び」と「学びの活用」を全力で支援し輝く人生づくりと豊かな社会づくりに貢献してまいります。