「新規事業の立ち上げが自身の集大成」TCJは様々な挑戦が出来る場所

「新規事業の立ち上げメンバーとしてプロジェクトに参画し、在日外国人向けの日本語教育を確立していくことが自身のキャリアの集大成です。」
東京中央日本語学院(TCJ)にて、日本語教師として活躍されている後藤さん。
語学を教えることに深く向きあってきたからこそ、日本語を教えることへの想いをお聞きしました。

PROFILE
後藤 和歌子
ROC事業ユニット 教務リーダー

英語教師の教育実習にて、ALT講師と一緒に授業を担当。英語を教えることは何かを考え、母語である日本語を深堀する中で、日本語教師としての道をまい進。2016年にTCJに入社、2020年には新規事業の立ち上げに参画し、ROC事業ユニットの教務リーダーとして職責を担う。

 

――まずは、自己紹介をお願いします。

ROC事業ユニットにて教務リーダーを担当しております、後藤と申します。ROC事業ユニットは、日本に滞在する生活者の方々やビジネスマン、そして海外からオンラインで参加する受講生に対して日本語のレッスンを提供しています。

子供のころから、外国語学習が身近なところにあり、それがとても価値があり大切なものであり、楽しいものだと認識していました。勉強を進めて行くうちに、外国語だと言いたい事がなかなか言えないという場面に遭遇しました。また、どのように学習したらもっと話せるようになるのか?という疑問を持っていました。

大学生の時に、英語教師の教育実習に進みました。以前の中学英語の授業にはネイティブ講師がいなかったのですが、私が教育実習に入るときに大きな制度の変革があり、ネイティブ講師も一緒に授業参加するようになりました。

私は日本人の先生から、英語を学んでいたので自信を持って教育実習に臨んでいたいのですが、ネイティブ講師一緒に授業を行う中で英語に対する理解が不十分だと感じ、改めて語学を教えるということについて一段深く考え、自分の母語である日本語に向き合ってきました。自分の母語である日本語を深堀していくなかで、日本語教師としてのキャリアをスタートさせました。

――TCJに入社した理由を聞かせてください。

TCJには2016年に入社をしました。TCJは東京の中でも規模の大きな学校で、当時の先輩からも経験者での学びの機会のある学校であると聞いていました。入社してみて実感したのは、研修や外部から講師招聘によるセミナーが多く開催され、常に刺激的な環境がある学校でした。

TCJでは、共に働く仲間たちとのスキル向上や議論が日常的に行われており、自信を持って日々の仕事に取り組むことができました。

何よりも大きかったのは、2020年に新規事業の立ち上げに参画したことでした。現在も携わっている生活者向けの日本語教育を確立していくというのが、自分の仕事の集大成であると考えています。TCJでは、様々な挑戦ができる場所であると感じており、それが一番の魅力であると思っています。

――日本語教師とはどのような仕事ですか?

私が考えている日本語教師の仕事とは、日本語学習者がどのような状況にあっても自分が理解している日本語を駆使し、その場がクリアできるになるということをサポートすることだと考えています。

日本で、長期に渡り生活をしていくためには、日本語でのコミニケションが必要になる場面に多数遭遇します。本番の状況で、日本語を使うためには普段の授業でしっかりと、準備を行うことが大切です。授業では、実際のコミュニケーション場面を想定し、練習を通じてクラスメイトと会話の体験をしてもらう機会をファシリテートしています。

また、日本の習慣や決まり事、情報提供や居住地域や勤務先の関係者とのつなぎ役という役割もあると思います。日本語を使ったコミュニケーションを図ることによって、周囲の関係者と良姜な人間関係を構築できるように、サポートしていたいです。

――語学の上達には時間は必要だと思いますが、長く続けてもらうコツはありますか?

自分にとって、語学学習が特別なものであると、なかなか長続きしないことがあります。そのためには、語学学習を生活の一環として捉え、TCJに通学することが自然な習慣となるように心がけることが大切です。また、クラスメイトとも特別な関係ではなく、ごく自然な関係性を築くことが大事です。

――日本語を教える上で大変な点は何ですか?

そうですね。一番は「文字」でしょうか。日本語では、漢字・ひらがな・カタカナという文字を使います。これを初級の段階から学習していきます。文字を使用しない学習者(会話中心の学習者)でも、文法を理解するためには、文字の学習が不可欠です。

日本語を上達させていくためには、文法の理解は一定必要です。会話力を向上させるためにも、文法の理解は必要であり、文法をしっかりと理解するためには、やはり文字も必要になってきます。これは、とても難しい課題ですね。

また、中級以上のレベルになると、オノマトペの表現があります。日本人にとっては大変興味深いものですが、学習者にとっては難解であるように感じています。また、その数も多いため、学習者が苦労をしている場面を多く見てきました。

さらに上級者になると、話の行間を読む、相手の言いたいことを話の流れから察するスキル「言わずもがな分かるでしょ」という部分にも挑戦するような学習者が出てきます。ここまで到達できるのは、かなりの上級者ですが、このような疑問は、単純な説明で理解できるものではなく、何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、感覚を掴んでいくものです。習得にはとても時間要し、苦労の多い部分ではないかと思います。

――どのような方がTCJで日本語を勉強されていますか?

TCJで日本語を学んでいる学習者は、様々なバックグラウンドをお持ちです。例えば、日本人の配偶者やご家族が、日本での生活の拠点を築きたいと考えている。また資格取得や事業の展開を目指す方、建築や日本の風景・街並みが好きな方、漫画やアニメに興味を持つ方、大学や大学院に通う学生、長期間日本にお住まいで普段のコミュニケーションは英語であるが、日本語でのコミニケションを楽しみたいと思っている方、そして将来日本での生活を考えている方が、オンラインで学習を行っています。

――大変多様な方々が受講されていますが、授業において大変な点はありますか?

大変な点では無いのですが、さまざまなバックグラウンドを持つ受講生がいるため、その相互作用が非常に興味深いです。出身地や国、仕事や人間関係に関するバラエティ豊かな要素が存在し、それにより参加者たちがもつ日本語の知識も異なります。これらを教室で共有し、みんなで授業を進めることは挑戦的ですが、お互いの参加者同士が学ぶ範囲を超える学習ができます。教師のファシリテートが不可欠ですが、受講生同士の相互作用が爆発することによる充実した経験が生まれることは、毎回の感動です。

――学生の「成長」はどのような時に感じられますか?

簡単な挨拶もできず、無言でずっと一点を見ているような学生をみかけるのですが、3か月も授業に参加をしていると、1つ1つ言葉を紡ぎながら、今日の出来事を話してくれたり、文字が全く読めなかった方が、半年間学習を進めることでJLPTに合格しましたと報告を受けたり、緊張のあまり顔が真っ赤になってしまっていた学生が、相槌を打ちながら会話を楽しんでいたり、冗談を言えるようになっていたりと、様々なケースで学生の成長を感じられる場面があります。

――TCJで働く上で大切にしていることは?

私がTCJで働く上で大切にしていることは、チームワークです。過去に仕事のスランプに陥った経験から、その原因の多くはメンバーとのコミュニケーション不足であると気が付きました。同僚と一緒に仕事を楽しめているというのは、仕事の充実感を高めるために非常に重要です。

またTCJでは、小さな失敗に拘らず、自分の意欲とやる気でどんどん新しい事にチャレンジが出来ます。また、まずやってみようという文化が根付いており、挑戦の結果得られる効果についても、大きなものになっています。

――「学び」に対する想いをお聞かせください

私は、「学び」を通して新しい出会いがあると信じています。これらの出会いを通じて、自らが変化し成長することができると思っています。同じ事象でも、自分自身が変わることで捉え方が変わってくる点には、興味深いと感じています。

――今後のキャリアパスについて教えてください。

今後は、東京だけでなく日本全国や海外などでも日本語を学習したいと思っている方に向けたクラスを開発していきたいです。これからも、増えていく来日外国人の方に、安心してしっかりと日本語が勉強できる学校となっていければと考えています。

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