ロジハラ(ロジカルハラスメント)とは? ロジハラする人の特徴も解説

セクハラやパワハラと並ぶ職場におけるハラスメントの1つとして「ロジハラ(ロジカルハラスメント)」が問題になりつつあります。正論を述べているだけにロジハラをしている本人は問題があることに気づかないことも多く、受け手が苦慮するパターンが多いハラスメントです。
ロジハラの定義やロジハラする人の特徴、ロジハラを防ぐポイントについて詳しく解説します。
ロジハラ(ロジカルハラスメント)とは
ロジハラとは、理屈を並べ立てて相手を精神的に追い詰めることです。セクハラ、パワハラなどと同様に、相手に精神的ダメージを与え仕事に支障が生じるため、ハラスメントの1つと捉えられています。
職場におけるハラスメントは、受け手が精神的ダメージを負うだけにとどまらず、本来の能力を発揮できずに組織としての成果が上げにくくなるというデメリットがあります。
ロジカルに物事を捉える力は仕事をする上で必要な能力ですが、相手の心理的な状況を無視して理詰めで追い込んでしまうと、ロジハラと捉えられてしまいます。
ロジハラが起こりやすい場面
ロジハラが起こりやすいのは、主に以下の3つの場面です。
- ミスを叱る場面
- 会議やミーティングの場面
- 部下からの報連相の場面
多くの場合、上の立場の人が下の人を叱ったり注意したりする行為が行きすぎてハラスメントになっています。具体的にどういった場面で起こり得るのかを見ていきましょう。
ミスを叱る場面
特に上司が部下のミスを叱る場合、指導の一環としてここぞとばかりに正論で相手を追い詰めるケースがあります。部下にも何らかの事情があり、説明の機会を欲しているかもしれません。上司の聞く耳を持たない態度を感じれば、説明する気力さえ奪われ、大きなストレスを抱えることになります。
時には部下のミスに対して叱ることも大切です。しかし、執拗にミスの原因を尋ねる、ミスに関係ない普段の仕事ぶりにまで話が及ぶなどは、行き過ぎた行為と考えられます。部下が精神的苦痛を感じるまで追い詰めてしまうと、ロジハラと捉えられても仕方ありません
会議やミーティングの場面
会議やミーティングは本来前向きな意見交換の場ですが、意見の対立が生じた場合にロジハラが起きることがあります。特に、ロジハラをしている本人の立場や役職が高い場合、本人の独擅場となることもあります。
特定の1人に対してロジハラが行われる場合もあれば、複数人に対して行われるケースもあります。ロジハラは前向きな意見交換を妨げる行為で、会議やミーティングの意義を大きく損ないます。特に、特定の1人を追い詰めるようなことは避けなければなりません。
話し合いの際には、相手の意見や気持ちの尊重が大切であると再認識する必要があります。
部下からの報連相の場面
部下から上司へ仕事の報告や連絡をする機会は頻繁にあると思いますが、報連相の場面もロジハラが起きやすいタイミングです。
例えば、部下からの報告が良いものであっても、「もっと好条件で交渉できなかったのか」「もっと良い方法はなかったのか」と教育的指導だと思い込み、正論で詰め寄る人がいます。部下からすると、報連相の全てがロジハラの対象となるため言葉を慎重に選ばなければいけなくなり、報連相自体が苦痛になってしまいます。
部下の報告や連絡を聞く際は一旦最後まで耳を傾け、部下の仕事への取り組みを評価する余裕が必要です。
ロジハラをする人の特徴
ロジハラをする人の特徴は、主に以下の3点と言われています。
- 自分を優位にしたい気持ちが強い
- 自分が正しいという自負が強い
- 相手の気持ちが汲み取れない
ロジハラをしがちな人には共通した特徴があります。どういった点に注意するべきなのかを知るために、まずはそれらの特徴について知っておきましょう。
自分を優位にしたい気持ちが強い
ロジハラをする人はプライドが高く「自分のほうが上である」ことを周囲に認めさせたい気持ちが強い傾向があります。ロジハラをする人は自信家のように見えますが、自分自身の存在価値を他者で認識しようとする傾向があり、実は自信がない人であるパターンが多くあります。
正論を述べるにしても、思いやりが感じられれば相手も素直に受け止められます。しかし、ロジハラ気質の人は相手への思いやりや配慮に欠けるため、受け取る側は不快感を持ってしまいます。
自分の自尊心を満たすために相手を不愉快な気持ちにさせていることを、まず認識する必要があります。
自分が正しいという自負が強い
ロジハラをする人は自分の意見が絶対に正しいと思い込んでいる傾向があります。周囲の人の意見に耳を傾けるという考えがなく、自分の考え通りに周囲が行動すべきだと思っています。
話のロジックは正しくても、それがどのような場面でも正論とは限りません。見る角度によって物の見え方が変わるように、理論も違う角度から考察すれば現実に沿わないことも多々あります。また、正論であっても発言の仕方やタイミングを間違えれば単なる嫌がらせと受け取られてしまいます。
全てのコミュニケーションは相手との関係性の上に成り立っています。特にビジネスの場面では、相手を委縮させることで実力の発揮を妨げてしまう恐れがあります。発言には十分注意しなければなりません。
相手の気持ちが汲み取れない
ロジハラする人は相手の感情を汲み取ることが苦手な人がほとんどだと言われています。その結果、ストレートな物言いや無配慮な言動をしてしまうこともあります。
また、相手の話に耳を傾けず、自分の主張ばかりを通そうとすれば、建設的な議論はできません。相手への共感や理解があれば議論が一方通行にならず、お互いの妥協点を探っていけるはずです。
職場での議論は勝ち負けを決めることが目的ではなく、会社や部署として最善の判断をするためになされるものです。そのためには、自分だけではなく相手の視点や感情も尊重する必要があります。
ロジハラを防ぐために必要な3つのポイント
ロジハラを防ぐために必要なポイントは、主に以下の3つです。
- 相手の立場や感情に配慮し、意見を受け止める
- 言葉の選び方や伝え方を意識する
- 白黒はっきりさせる必要はないと理解する
まずは、相手の気持ちを受け止める姿勢を持つことが大切です。その上でどういった点に気を配るべきなのか、しっかり確認しておきましょう。
相手の立場や感情に配慮し、意見を受け止める
コミュニケーションは双方向で行うものです。自分の言いたいことを伝えるだけでなく、相手の立場や気持ちを想像し、尊重する姿勢が求められます。常に自分の考えが正しいという思い込みは捨て、相手の意見にも耳を傾け、受け止めましょう。
「アサーティブコミュニケーション」を取り入れるのも有効な方法だと言われています。アサーティブコミュニケーションとは、相手の気持ちに配慮しながら自分の意見を伝える方法です。相手の意見を否定したくなったら、「そういう意見もあると思いますが、私はこう思います」と表現を変えるだけでも、相手へ与える印象が大きく変化します。
言葉の選び方や伝え方を意識する
ロジハラをする人は、議論が白熱するとストレートな物言いや配慮のない言動をしてしまう傾向があります。相手に対して正論を述べること自体が問題ではなく、言葉の選び方やタイミングに問題があり、相手に不快感を与え傷つけることになってしまいます。
過度に直接的な表現や、乱暴な言葉遣いはそれだけで相手を委縮させ、コミュニケーションを妨げる要因となります。同じ意味合いの言葉でも、口調を変えるだけで相手が受ける印象は大きく異なります。普段の会話から相手へ配慮した言葉遣いや口調を心がけることをおすすめします。
白黒はっきりさせる必要はないと理解する
正論で相手を追い詰め論破しようとする人は、何事においても白黒はっきりさせたい気持ちが強い傾向があります。
しかし、正論が常に最善であるとは限りません。商談の場面においても相手の置かれている状況によって話し方やアプローチが異なるように、状況によってはグレーゾーンの選択があっても構わないという考えを持ちましょう。
常に白黒はっきりさせる必要がないと理解することで、相手を論破するようなロジハラを軽減できるでしょう。
ロジハラを防ぎ、コミュニケーションを円滑に進めよう
ロジハラは加害者側にハラスメントの意識がないケースが多くありますが、自分よりも立場の弱い人に対して行われる紛れもないハラスメント行為です。相手に精神的なダメージを与えることはもちろん、組織全体にも悪影響を及ぼします。
ロジカルであることはビジネスにおいて必要不可欠ですが、ロジカルであることだけで仕事がスムーズに進むことはありません。仕事は周囲とコミュニケーションを取りながら進めていくもので、相手の気持ちに寄り添う姿勢が求められます。
常に正論を述べがちな人は、日頃の自分自身のコミュニケーションを振り返る機会を持つとよいでしょう。
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