これからの働き方とは? 5つの変化と働く個人がやるべきことを解説

働き方改革関連法の施行をはじめ、テクノロジーの進化やグローバル化などの影響により、日本社会における働き方の概念が大きく変わり始めています。

本記事は、これからの働き方や今起きている変化のほか、将来に備えて今何をやるべきかについても解説します。これからの働き方について知り、自分の働き方について考えたい方はぜひ参考にしてください。

これからの働き方とは? 今起きている5つの変化

未来は誰にも分かりません。これからの働き方がどのように変化するのかも予測不可能です。

しかし、これからの働き方に起こる変化の要素は既に存在しています。今起きている変化を把握しておくことで、これからの働き方の変化に備えることができるでしょう。

今起きている働き方の変化として以下の5つが考えられます。

  • 働く時間の変化
  • 働く場所の変化
  • 雇用形態の変化
  • 業務内容の変化
  • 働く人の考え方の変化

それぞれ詳しく見ていきましょう。

働く時間の変化

現在、既に多くの企業でフレックスタイム制や短時間勤務制などが導入されています。これにより、全従業員が同じ始業時間・終業時刻で働く従来の働き方から、個々の事情や生活に合わせて働けるようになり、働く時間の調整が可能になりました。

2019年には改正労働基準法が施行され、時間外労働の上限規制は、原則として月45時間、年360時間と定められました。慢性化した長時間労働の是正が始まったことでも、働く時間に変化が生じています。


関連記事:パスメイク「働き方改革とは? 残業や有給などに関する関連法をわかりやすく解説」

参照:厚生労働省「労働基準法の一部を改正する法律の概要」

働く場所の変化

ITの発展により、現代社会は安定的かつ高速なインターネット環境が当たり前の時代になりました。それに伴い、インターネット環境に接続されたデバイスがあれば場所を問わず作業が進められる仕事も増えてきています。

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの企業がテレワーク導入を余儀なくされました。これまで当たり前だったオフィス勤務の概念が覆され、自宅やサティライトオフィス、遠隔地など、働く場所に縛られない働き方へと変化しています。

雇用形態の変化

これまでの日本社会では、終身雇用や年功序列の制度が一般的でした。しかし、近年の経済低迷により、人件費の負担が重くなり、従来の雇用形態を見直す企業が増えています。

2022年には、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、「モデル就業規則」から副業禁止の規定が一部例外を除き削除されました。政府主導による副業解禁の推進は加速しています。

収入を得る選択肢が増えたことで、スキルを取得したり、副業や複業をしたりなど、雇用形態にこだわることなく、自らのキャリアや市場価値を高める人が増加しています。

関連記事:パスメイク「終身雇用とは? メリット・デメリットや制度は崩壊するのかなど解説」

参照:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

業務内容の変化

ITの進歩により、チャットボットや無人決済システムなど、単純作業の自動化が進んでいます。人が行っていた作業であっても、働き手はAIやロボットへと置き換わりつつあります。

AIの得意分野は、スピーディーかつ正確な情報処理や機械の正確な操作などです。そのため、コンビニやスーパーの店員、事務職、銀行員、工場の作業員、電車の運転手などの職業は、AIに仕事を取って代わられる可能性が非常に高いと言われています。

働く人の考え方の変化

終身雇用の崩壊や副業の解禁などにより、一つの企業で定年まで働くメリットが少なくなっています。一方でダブルワーク、フリーランスなど、多様な働き方が選択できるようになりました。

人々の働き方は仕事とプライベートの両方を充実させる「ワークライフバランス」を意識したものへと変化しています。

また、短時間勤務制などを導入する企業が増えてきています。そのため、仕事選びでも結婚や出産といったライフイベントを考慮した働き方の選択が可能となりつつあります。

未来の働き方はどうなるのか|2035年の社会に予想されること

2016年、厚生労働省より、未来の働き方を想定した「働き方の未来 2035」が公表されました。

「働き方の未来 2035」とは、少子高齢化と技術革新が進んだ2035年の日本社会では働き方や制度がどう変化しているか、またそのような環境で一人ひとりが輝くためにすべきことは何かという提言がまとめられた報告書です。

その内容は多岐に渡りますが、今回は以下の4点について詳しく解説していきます。

  • 時間と空間に縛られない働き方の実現
  • 企業組織の変化
  • 働く人の考え方やコミュニティのあり方の変化
  • 制約や壁がない社会

これからの働き方がどのように変化すると考察されているのかを、1つずつ見ていきましょう。

参照:​​厚生労働省「『働き方の未来 2035』~一人ひとりが輝くために~【報告書】」

時間と空間に縛られない働き方の実現

2035年には、通信技術やAI、VRなどさらなる技術革新が進み、経済社会システムが大きく変化することが予測されています。これらの技術革新によって、働く場所に関する物理的な制約は今まで以上になくなるでしょう。

同じ空間に集まり、同じ時刻に作業することが不可欠だった時代は終わり、多くの仕事が時間と空間に縛られない働き方が実現します。

製造業のように、作業現場に人がいなくてはならない仕事もあります。しかし、経済産業省によるロボット産業市場動向調査では、2035年にはロボット産業は10兆円規模の市場になることが予測されています。働き手が人からロボットに置き換わり、作業現場でも人は必要なくなっているかもしれません。

参照:総務省「情報通信白書(平成27年版)第2部 ICTが拓く未来社会」

企業組織の変化

時間と空間に縛られない働き方の増加は、労働者を雇う企業組織をも変えるとされています。

極端にいえば、これまであたかも一つの「国家」のような存在だった企業は「プロジェクトの塊」へと変化します。プロジェクトが終われば、労働者は別のプロジェクトでの稼働を開始し、柔軟に企業の内外を移動する形になるでしょう。

その結果、企業組織の内と外との境界は曖昧になり、企業が人材を抱え込む正社員の概念はなくなることが予測されます。

働く人の考え方やコミュニティのあり方の変化

企業がプロジェクト型の組織になると、働く側も自分の希望とニーズに応じて、プロジェクトを選択することになります。一つの会社、一つのプロジェクトに従事する必要はなくなり、複数の企業に所属し、複数のプロジェクトに従事するケースも珍しくなくなります。

個人が自由に働き方を選択できる社会では、企業への帰属意識は薄れ、かつてのような疑似コミュニティとして機能することは難しくなるでしょう。

これまで企業が担っていた疑似コミュニティは、SNSや地域などの疑似コミュニティへと代替されていくことが予測されています。

制約や壁がない社会

AI など科学技術の発達による自動化・ロボット化といった技術革新により、介護や子育て、家事などの負担から働く人が解放されることも期待されています。介護や子育てによる制約がなくなり、自分の能力や思考、希望に合った働き方を選択できるようになるでしょう。

また、空間や時間に縛られない多様な働き方が一般的になると、性別、人種、国籍、年齢などの壁や制約が急速に消滅します。例えば、AIを活用した同時翻訳技術が進化すると、言葉の壁を超えたコミュニケーションが容易となり、国境を越えたビジネス展開も今まで以上に実現しやすくなるでしょう。

そうした変化に対応できる社会となるためには、日本独自の働き方や制度の見直しが必要不可欠です。

これからの働き方に対応するためにやるべきこと

これからの働き方に対応するために今やるべきこととして、以下の3点が考えられます。

  • 強みを高める
  • 社会やニーズの変化に敏感になる
  • キャリアプランを持つ

それぞれの具体的な内容を確認していきましょう。

強みを高める

ビジネスパーソンとしての自分の強みを知り、高めることは、周りとの差別化を図るために重要です。

自分の強みを高めるためには、キャリアの棚卸しから始めましょう。キャリアの棚卸しとは、これまで自分が取り組んできた仕事や積み重ねてきた経験について振り返り、整理をすることです。

強みをより強固なものにするためには、資格を取得するのもよいでしょう。資格はスキルを客観的に証明できるため、仕事の幅や働き方の選択肢を広げるのに役立ちます。

社会やニーズの変化に敏感になる

社会やニーズの変化に伴い、求められるスキルや人材も変化します。

現在ニーズの高いスキルを持っていたとしても、1年後には市場価値が下がり、 ニーズがなくなる可能性もあります。常に求められる人材でいるためには、業界や職種に関する情報収集を定期的に行い、変化に対してすぐに対応ができるよう備えることが大切です。

時代の変化に合わせて、新しい知識をインプットする「学び直し」に取り組むのもおすすめです。学び直しは、現在仕事をしている人はもちろん、仕事をしていない人や育児中の人の社会復帰などにも役立ちます。

 

関連記事:パスメイク「リカレント教育(学び直し)とは?言葉の意味や、やり方などを紹介」

キャリアプランを持つ

雇用形態が多様化し、個人が自由に働き方を選べる時代では、自分の意思で進むべき道を選択しなくてはなりません。その際の判断軸になるのがキャリアプランです。

まずは自己分析を行い、5年後や10年後にやりたいことや実現したいことを明確にしましょう。理想像をゴールとし、そこに至るまでには何が必要なのか、足りないものは何かを考えます。

どのような働き方をすべきか、キャリアの岐路に立った際に自身のキャリアプランに照らし合わせることで、何を選択するべきかを冷静に判断できます。

キャリアプランを自分で考えることが難しい場合には、キャリアカウンセリングや転職エージェントなどを活用するのもおすすめです。

関連記事:パスメイク「キャリア相談(カウンセリング)とは?メリットや相談方法を解説」

これからの働き方の変化に柔軟に対応できる力を身につけよう

未来は予測不可能です。しかし、現在の働き方の変化を把握することで、近い将来に起こるであろう変化に備えることはできます。

働く時間や場所、雇用形態、業務内容、働く人の考え方など、働き方は既に変化し始めています。これからの働き方は今以上に選択肢が増え、自由度が高まることが予測されます。一方、成果主義を導入する企業が増える可能性が高まり、個人の実力が求められるようになるでしょう。

自分の強みに磨きをかけ、これからの働き方の変化に対応できる力を身につけましょう。

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