副業とは?仕事の種類や代表例、始める際の注意点などを解説

日本では、政府主導によって働き方改革が推進されています。多様で柔軟な働き方が推進される中、本業とは別の仕事をこなす「副業」への関心が高まっています。

副業に興味があるものの、「副業にはどのような種類があるのだろう」「自分に向いている副業は何だろう」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、副業の種類や具体例、始める際の注意点について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

副業とは

副業とは、本業が終わった後や休日などの空き時間を活用して行う、本業以外の仕事を指す言葉です。

一般的に、副業は本業以外から収入を得ている仕事を指しますが、その定義を明確にする法律は定められていません。総務省は、副業について「主な仕事以外に就いている仕事」と解説しています。

参考:平成29年就業構造基本調査 用語の解説

兼業・複業との違い

副業と似た言葉に、「兼業」と「複業」があります。混同されやすい言葉ではありますが、それぞれの意味は異なります。具体的にはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

兼業とは

兼業とは、本業以外の事業を2つ以上、同時並行して掛け持ちしている状態を指す言葉です。

副業の場合、仕事の比重は本業のほうが大きくなります。一方で、兼業は本業をメインとするのではなく、会社に勤務しながら自分でも事業を経営しているなど、掛け持ちの仕事をそれぞれ同配分程度でこなす状態を指します。

複業とは

複業は、いくつもの本業を掛け持ちしている状態を指す言葉です。

会社員として働きながら、フリーランスのライターとしても活動を行うなど、副業のように仕事をメインとサブで区別するのではなく、複数の仕事すべてが本業である場合に用いられます。

副業の注目度が高まっている背景

これまで、副業は企業の就業規則で禁止されているケースが多く、容認している企業はごく少数でした。

近年、その常識に変化が見られるようになった具体的な背景について解説します。

政府による推進

2018年1月、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除しました。さらに、副業・兼業に関して「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という規定も新たに設けられています。

副業を解禁する企業が増加した理由には、政府の後押しがきっかけとなっているといえるでしょう。

参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

働く人の考え方の変化

厚生労働省は令和2年に副業・兼業に関する労働者調査を実施し、その結果を「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」として公表しました。調査では、20歳未満から65歳以上までの男女にアンケート調査を行い、約16万人の有効サンプルを得ました。

それによると、副業をしている理由について「収入を増やしたいから」(56.6%)と回答した人が最も多かった一方で、次のような回答もありました。

  • 自分で活躍できる場を広げたいから(19.8%)
  • 時間のゆとりがあるから(18.6%)
  • 様々な分野の人とつながりができるから(13.6%)

このように、より自分らしい働き方や理想的なワークライフバランスなど、働く人の考え方が変化したことも、副業の注目度が高まっている理由といえるでしょう。

参考:厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」

副業で稼ぐ方法は大きく3種類

副業で稼ぐためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、「時間労働タイプ」「成果報酬タイプ」「資産運用タイプ」の3種類を紹介します。

時間労働タイプ

時間労働タイプとは、決められた時間を消費して働くことで収入を得る方法です。時給◯円といったように、働いた時間に対する報酬が発生するため、働けば働くほど稼ぐことができます。時間は拘束されますが、確実に収入を得ることができます。

成果報酬タイプ

成果報酬タイプとは、自分が上げた成果に対して報酬を得る方法です。例えば自分が制作したアクセサリーの販売や文字起こし、Webデザイン、動画編集など、成果ごとに報酬が発生します。

成果報酬タイプは、時間や場所の拘束があまりないため、簡単に始めやすい副業といえるでしょう。市場価値の向上ができれば、短時間の作業で月に数万円以上を稼げる可能性もあります。しかし、成果報酬タイプの副業は、需要がなければ収入を得ることができないため、市場の動きなどを確認する必要があります。

資産運用タイプ

資産運用タイプとは、株式や不動産などに投資し、財産を増やす方法です。他のタイプの副業に比べて時間や労力を費やす必要がないため、体力や時間がない人でも取り組めます。また、資産運用で得る収入は、労働の対価ではないことから、副業とみなされないケースもあります。

適切な運用ができれば、短期間で大きな収入を得られる可能性もありますが、運用に失敗した場合は、多額の損失が発生するリスクがある点も理解しておきましょう。

副業の4つの例

何か副業を始めたいと考えているものの、「どのような副業を始めれば良いか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

ここでは、下記4つの副業の例を紹介します。

  • スキル販売
  • ハンドメイド販売
  • アルバイト
  • 株式投資・FX

新たなスキルの獲得や自分でも気づいていない強みの発見、人脈作りのために副業を考えてみてはいかがでしょうか。

スキル販売

スキル販売とは、自分の特技やスキル、時間を商品として販売することです。主にクラウドソーシングやスキルマーケットを活用して、スキル販売を行います。

ライティングや翻訳、Webサービス開発などのビジネス系のスキルを販売する他、恋愛相談や占いなどをスキルとして販売する人もいます。得意なことを活かし、なおかつ時間の有効活用ができる点がメリットです。

一方、スキルや実績がなければ単価が低い、すぐに案件を獲得できるとは限らないなどのデメリットもあります。すぐに大きな収入につなげるのは難しい場合もあることも、理解しておく必要があるしょう。

ハンドメイド販売

自分の趣味を仕事にしたい方に人気がある副業が、ハンドメイド販売です。手作りのアクセサリーや小物などを、ハンドメイド販売サイトやフリマアプリなどを利用して販売します。

自分のペースで好きな時間に作業ができるため、本業とのバランスがとりやすいことが魅力です。自由度が高い副業ではありますが、製作費に加え、手数料や梱包費用などのコストがかかります。また、商品掲載の手間、購入者とのやり取りなどに時間が取られる場合もあります。

アルバイト

時間労働タイプであるアルバイトは、確実に報酬を得られる副業です。

飲食店での接客業務や工場での軽作業などのアルバイトは特別な知識やスキルが求められることが少ないため、副業としても始めやすいでしょう。ただし、働く曜日や時間が固定されることが多く、拘束時間も長い傾向があるため、本業との兼ね合いが重要となります。

本業に支障をきたすことがないよう、イベントスタッフや試験監督といった、単発アルバイトを選択するのも良いでしょう。

株式投資やFX

株式投資は、企業が発行する株式を売買し、売値と買値の差額や配当金で収益を得る方法です。FXとは、ある国の通貨を別の国の通貨に交換し外貨の売買で差益を得る方法のことです。

株式投資やFXは、パソコンやスマホがあれば取引可能なため、自宅はもちろん、通勤の電車の中や本業の休憩時間など、ちょっとした隙間時間でできる副業です。副業が禁止されている会社などでも、株式投資やFXは許可されているケースもあります。

成功すれば資産を何倍にも増やせる可能性がありますが、損失が出たり、資金を失ったりする可能性もあります。株式投資やFXは、ハイリスク・ハイリターンであることを理解した上で取り組みましょう。

会社員が副業を始める際の注意点

これから副業を始めてみようと考えている会社員の方も多いのではないでしょうか。しかし、会社員が副業を始める際は、気を付けなければならないことがあります。

トラブルを避けるためにも、会社員が副業を始める際の注意点について確認しておきましょう。

会社の就業規則を確認する

副業を解禁する企業は増加傾向にあるものの、依然として就業規則で副業禁止と定めている企業も少なくありません。

就業規則で副業が禁じられているにもかかわらず、無断で副業を行った場合、戒告や減給、懲戒処分の対象となる可能性があります。また、副業が許可されていたとしても、事前の申請が必要な場合や業務内容が制限されていることもあります。

会社の規定違反とならないよう、副業を始める前には本業の就業規則を必ず確認しましょう。

本業に支障がでないようにする

副業が許可されている企業であっても、無制限に副業を行って良いわけではありません。

フルタイムで働きながら副業を始めると、必然的に労力と労働時間が増加し、生活や健康のバランスが崩れがちです。場合によっては、副業のために本業を休んだり、副業によって寝不足となったりなど、本業に支障がでてしまう可能性もあるでしょう。

副業によって、本業がおろそかになってしまっては元も子もありません。働き方改革の推進により推奨されつつある副業に影をおとすことにもつながります。

副業を始める際には、本業に支障がでないよう、時間や業務量の調節を行いましょう。

副業でスキルアップや豊かな人生を実現しよう

政府による働き方改革も進み、これまで会社員は禁止されることが多かった副業を容認する流れが加速しています。しかし、いまだ副業を原則禁止とする企業も多くあるため、本業の就業規則を確かめ、規則違反とならないよう注意が必要です。

副業には、収入の増加だけでなく、新たなスキル習得や新たな人脈作りなど、多くのメリットがあります。スキルアップやキャリアアップが実現すれば、将来の選択肢も広がります。自分にあった無理のない副業で、豊かな人生を目指しましょう。


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